こころゆるめる日々のヨーガ〜呼吸法のこと・・・の前に!
ヨガは呼吸法なんですね・・・と、セッションが終わった後、感じたことを話してくださいました。
その感性に驚き、素晴らしいなぁと感嘆しながらも、
それは正解の一つではあるけれど、ヨーガの全てではないというのが、わたしがヨーガを学ぶ中で感じていること。
今日は、ヨーガの中での呼吸について、考え方や捉え方などをお話ししていきます。
・ヨーガ哲学における呼吸法の位置付
ヨーガには、アシュタンガヨーガ(八支則)と言われる修練の順番・段階があります。
1.Yama(社会的なルール)
2.Niyama(個人的なルール)
3.Asana(本来は安定して楽に座るカラダの形 現在ではヨーガのポーズを指していることが多い)
4.Pranayama(プラーナと言われるエネルギーのコントロール)
5.Pratyahara(感覚を治めること)
6.Dharana (集中すること)
7.Dhyana (集中がさらに深化した瞑想)
8.Samadhi (意識を超えた状態)
※( )の中は、とても簡単に記しています。一つ一つについては、いずれまた、いつかお話しできればと願っています。
ヨーガを練習する者は、1から順番に練習・実践することが求められます。
このうち、現在のヨーガとして、一般的に捉えられているのが3段階目のAsana。
ポーズをとって、カラダを整えること。
そして、呼吸法と言われるPranayamaは、4番目~カラダを整えた その先~に置かれています。
これは、私たちを生かし、保っているエネルギーの一つ「呼吸」が全身を使って行われること。
その為、呼吸が滞りなく全身を巡ることができるよう、カラダを整える必要があることを示しています。
・なぜカラダを整えてから、呼吸なのかな?をもう少し詳しく!
例えば・・・
車を運転するためには、まず運転する人と車が必要ですね。
これが私たち「人」と、そのカラダ①
車を運転するためには、どんな部品がどのように動くのか、どう操作すればいいのかを知っていなければ危ないですよね。
これが八支則の1番目と2番目 YamaとNiyama②
そして、車を動かすためには、整備や点検が必要になります。
これが八支則の3番目~Asana③
さぁ、運転しようと思ったら、車を動かすエネルギーが必要ですね。
これがヨーガでPranaと呼ばれるエネルギー、そしてそのPranaの一つが呼吸④
八支則では4番目に、そのエネルギーを広げ、その流れをコントロールすること(理解しやすいよう、一般的には呼吸法と解されています)と表されています。
車にガソリンが充填されていても、そのガソリンが燃やされて、生まれたガス(エネルギー)が流れるべきところに流れ、部品を動かさないと、車は動きません。
そのためには、車を整備しておかなくては・・・ですよね?
ヨーガの中でカラダを整えてから、呼吸へと進むのも、同じ理由からです。
ヨーガと同じく、瞑想することを大切にする禅宗では、もっと端的に①調身 ②調息 ③調心 と言われます。
これも「調身」カラダを整えてから「調息」呼吸を整え、「調心」こころを整える、その順番・段階を示しています。
この3つの言葉は
①目に見えて、整えやすい物質であるカラダから
②鼻から或いは口から出たり入ったりして、息の流れや温度で感じることができるけれど、目には見えない呼吸へ。
そして・・・
③目に見えない、触れることもできないこころへ・・・と、整える対象が、段々と繊細になっていくことを、とてもわかりやすく表しています。
触れることができるということは、整えやすいということ。
これをヨーガ哲学に戻って、世界を現出させると考えられている五大元素(土・水・火・風・空間)で見てみると・・・
一番最後に生まれ、一番粗雑な「土」は、触れることができ、かつ私たちが形を変えることができるもの。
より繊細な「水」は、触れることはできるけれど、容れ物がなければ形を留めることは難しい。
そして、「火」触れることが出来なくはないけれど、危険を伴い、容れ物があったとしても、それを留めることはかなり難しい。
「風」は、感じることはできるし、もしかしたら肌で触れていると言えなくはないけれど、容れ物に留めることはできない。
「空間」は、壁で仕切られていたら、留められているかもしれないけれど、その壁が無かったら・・・?
限りがない、触れることができない、表現できない広大なもの・・・
このように、触れることが出来ない、見ることが出来ないものになればなるほど、形を留めることも、整えることも難しくなっていきます。
なぜなら「整った」状態が、どういう状態なのか、五感を通して知ることができなくなっていくから。
だから、目に見ることができて、触れることができる、カラダを整えてから
目に見えない、触れることができない、より繊細な呼吸を整えるという順番になっているのです。
・呼吸法・・・の前に知っておいてほしいこと
これまで記してきたように、呼吸はとても繊細なもの。
そして、「呼吸」は、意識的に行おうとしなくても、いのちを紡ぐために自律神経の働きによって、自動的に営まれているもの。
その呼吸をコントロールしようとするなら・・・
その準備として、「呼吸をしている」ことに気づいてほしいなぁと思います。
どんな呼吸であったとしても、「今」「この瞬間」呼吸をして、生きていること、生かされていること。
その奇跡を知ってほしい・・・感じてみてほしい。
そして、その奇跡が行われている、起こっているご自身のカラダを大切にしてほしい。
そのために、カラダのことをよく知って、感じて、労ってほしい・・・
願わくば、仲良くなってほしいなぁと思います。
「いのち」として、ここに「在る」こと。
シンプルなその地点「原点」に還っていくこと・・・
それがヨーガだと、私は感じていて、そのためにヨーガを伝えています。
他の誰でもない
誰かに 何か にならなくていい
「わたし」として
「いのち」として
ここに在ること
それだけで十分だということ
そこに還ったとき
「わたし」は想像もできないくらいの至福の中にいる
ヨーガは難しい
でも、実はとてもシンプル。
「いのち」を楽しむ~そのためのツール
呼吸法の練習を始める前に!
生きていることを楽しんで!
それが、今日一番伝えたかったこと。
たくさん難しいこと書いたけれど、そういうこと。
当Spaceは、カラダを整え、「呼吸」を感じることを大切に。
そして、おひとりおひとりのカラダやこころの状態に合わせて、カスタマイズしたヨーガをお伝えしています。
リラックスヨーガは、カラダを整えること、知ること、呼吸を感じることを主なテーマに。
リストラティブヨーガやヨーガニドラは、呼吸を感じながら、「いのち」であるわたしを感じる、こころを整えることを主なテーマに。
より受講してくださる方のご希望に添えるよう、寄り添えるよう、プラーベート又はセミプライベートスタイルでセッションを行なっています。
興味を持っていただけたら嬉しいです。